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相続◆お役立ち情報

相続人の中に未成年者がいるときは

遺産分割協議をするには特別代理人の選任が必要

相続人が複数いる場合は、遺産の分け方について話し合いをする(=遺産分割協議)というのが一般的です。

しかし、相続人の中に未成年者がいて、親権者(父または母)と未成年者で遺産分割協議をする必要がある場合には、裁判所の「特別代理人選任申立」という手続が必要となります。

なぜ未成年者本人は、遺産分割に参加できない?

まず、未成年者はその判断能力の未熟さから、遺産分割協議に参加することが出来ません。

ここでいう未成年者とは、20歳未満且つ結婚をしていない方です。民法では、20歳未満であっても結婚をすることにより成年に達したものとみなされるからです。(民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられるため、2022年4月1日以降は、18歳未満が未成年者となります。)

本来ならば、親権者、つまり父母が未成年者を代理しますが、ご相続の場合、未成年者と共に親権者も相続人となっているケースが大多数です。例えば、父が亡くなり相続人は母と子供であるケースが考えられます。

このような場合、親権者は、未成年者の代理人としての立場と相続人ご本人の立場両方で遺産分割協議をすることは出来ないのです。これは、それを認めると、親権者が子供に不利益な判断をする可能性があると法律のもとでは考えられているからです。(これを利益相反行為といいます。)

不利益な判断とは、例えば子供の相続分を奪って親権者が全てを相続するといったケースです。どっちみち子供の財産を管理するのは親なのだから、子供名義でも親名義でも同じだろうと考える方が多いですが、法律の世界ではそうはいきません。法定相続分に満たない分しか受け取らない又は全く受け取らない場合は、子供からしたら「(もらえるものを受け取らずに)損をしている」わけで「奪っている」=不利益と解釈されるのです。

そこで、面倒なようですが、今回に限って未成年者の代理人となってもらう特別代理人をたてて、親権者と特別代理人で遺産分割をする必要があります。

特別代理人は誰がなる?どうやって選任される?

方法としては、家庭裁判所に特別代理人選任申立書を提出して行います。予め特別代理人候補者を決めて、申立書に記載することができます。そして、家庭裁判所の審判を通じ、選任されます。

相続において利害関係のある者以外であれば特別代理人になることが出来ます。なにかしらの資格をもった専門家でなければわけではありません。

ご親戚に特別代理人になって頂くこともありますが、遺産分割の遂行や事前事後の裁判所への報告といったご負担も大きいため、ご依頼があった場合は司法書士が特別代理人に就くケースが多いです。

まとめ

ご相続人の中に未成年者がいて、遺産分割協議をする場合は、家庭裁判所の特別代理人選任申立が必要となります。

また、成年後見人が成年被後見人と同時に相続人となるケースも同じです。

裁判所が認めてさえくれれば、個別の事情により、法定相続分以外の割合の遺産分割協議(未成年者の取り分を少なくしたりゼロにしたりすること)も可能です。認めてもらうためには、理由を説明した上申書(事情説明書)を作成し、申立書に添付します。

当事務所では、申立に必要な戸籍謄本取り寄せ代行から申立書作成、遺産分割協議書案の作成、提出、特別代理人の就任、その後の裁判所の対応までサポートいたします。ご家庭によってご事情も様々ですので、詳しくお話を伺ったうえでそのご家庭に合った最適な方法を考えていきます。また、遺産分割協議後の預金相続手続きや不動産登記名義変更までご依頼いただけます。

特別代理人選任申立の費用は、ご相続関係、財産の内容や特別代理人就任の有無によって変わってきますので、詳しくはお問い合わせください。

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